フェローテック、AI・半導体需要で2026年12月期に売上高3,500億円を目指す
フェローテック2026年3月期決算説明会(2026年6月2日開催)
開会挨拶:AI半導体市場の好機
フェローテックホールディングス代表取締役でございます。本日はお集まりいただきありがとうございます。2026年もすでに折り返し地点を迎えました。当社の現状認識と、いかに迅速かつ着実に事業を推進していくかについてお話しします。当社は事業成長を徹底的に追求しており、ご承知の通り2026年は「AIの年」です。加えて、半導体業界は5年サイクルの好況期にあります。昨年の後半から受注は堅調に推移しており、市場は活発に成長しています。
本年度については、25%から30%の成長を達成できると確信しています。AI半導体と当社の関係についてですが、幸いにも当社はAIとの親和性が非常に高く、多くの製品がAIやデータセンターで広く活用されています。例えば、熱電モジュール部門では、光通信用途で世界シェア70%を握っています。これほどの高シェアを維持できる理由は、製造工程の完全自動化を実現しているからです。私の現場運営の哲学は、人手を極力排除することにあります。
さらに、製品ラインナップに温度センサーを追加し、熱電モジュールとのセット販売も開始しました。そのため、当社の製品はAI、データセンター、光ファイバー用途と密接に関連しており、非常に強力なポジショニングを確立しています。
脱中国戦略とグローバル生産体制の拡大
本年度の戦略のもう一つの柱は、脱中国(Ex-China)オペレーションへの注力です。日本、米国、欧州向けには、中国以外の生産拠点のキャパシティを最大限に活用する計画です。ご存知の通り、中国の半導体産業も急速なスピードで成長しており、特に汎用半導体基板の生産量は急増しています。今年、中国の半導体輸出額は1兆元を超えると予想されています。したがって、我々は両サイドから受注を取り込み、成長を追求していきます。
2026年の財務目標と3カ年見通し
2026年は、基本として20%の成長を目指します。2026年の売上高目標は3,500億円、営業利益380億円、純利益230億円です。今後3年間の安定成長に向けた道筋として、2027年の営業利益は480億円、2028年には500億〜570億円の営業利益を目標に掲げています。当然、純利益も着実に伸長すると見込んでいます。短期的な成長は誰でも達成できますが、長期的に持続可能な成長を実現するのは容易ではありません。それこそが当社の目指すアプローチです。
生産効率化とコスト削減の取り組み
成長だけでなく、収益性の向上も追求しなければなりません。利益確保のため、現在マレーシアの2工場はフル稼働体制にあります。国内では岡山、石川、そして熊本の各工場を擁しており、これらを合わせることで日本市場を堅実に開拓していきます。2022年に発表した「日本回帰」は、着実に実現しつつあります。
効率向上のためのもう一つの鍵はコスト削減です。今年のコスト削減への取り組みは、以前とは全く異なります。週次で削減数値をチェックし、月次の推移をモニタリングしています。コスト削減に関しては、6カ月以内に目標の100%超を達成できる見込みです。また、デジタル化、自動化、可視化を通じた生産効率の改善も極めて重要です。自動化・可視化・デジタル化にはシステムが不可欠であり、その構築はほぼ完了しました。数値は自動的にシステムへ入力され、分析も自動生成されるため、細部を懸念する必要は全くありません。やるべきことを着実に実行すれば、自ずと良い数字がついてくると確信しています。
企業文化と人材育成
当社が極めて重視しているもう一つの側面は、企業文化の醸成です。企業文化が向上すれば、会社全体が活性化します。当社の基本理念は、顧客を尊重し、同時に従業員を尊重することです。学習、謙虚さ、信頼という価値観を軸に強固な企業文化を築いています。これに加え、製品品質にも注力しています。現在考えているのは、各部門が全社と連携し、良好な文化を構築するための協力体制の整備です。
もちろん、人材も極めて重要です。優秀な人材をどう集めるか。一つは教育です。社内研修を充実させ、人材を育成します。もう一つは、外部から優秀な人材を招聘することです。会社が成長すれば、自然と優秀な人材が集まってくると確信しています。
財務政策と株主還元
最後に、会社の業績向上に伴い、財務体質の強化も確実に進めます。DOE(純資産配当率)3.5%以上を採用しており、財務数値は着実に改善しています。今年度の自己資本比率は40%に達する見込みです。株主と従業員への還元を両立させなければなりません。株主還元については、配当性向約50%の維持を約束しています。従業員還元については、6〜8カ月分の賞与支給を目指します。こうした魅力的な企業になれば、自然と人が集まってくるはずです。
また、自社株買いも検討しており、約250億円規模を想定しています。余剰資産の売却による資金回収も進め、キャッシュ・リクイディティ(現金流動性)を高めることで、あらゆる機会に即応できる体制を整えます。当然、生産能力の増強やM&A、新規事業の立ち上げも視野に入れています。今後は新たな工場建設も必要であり、今年度は約6工場の建設を決定しました。皆様の期待を超える成長を実現できると確信しています。引き続きご支援をよろしくお願いいたします。
CFO武田による決算説明
CFOの武田です。2026年3月期の決算について説明します。売上高は前期比5%増の2,889億円となりました。営業利益は14%増(34億円増)の275億円です。営業外損益では為替差損が24億円悪化し、経常利益は2%増の260億円となりました。法人税が約20億円増加し、純利益は前期比5%減の148億円となりました。
セグメント別では、半導体製造装置関連はセラミックスや金属加工が好調で、売上高は前期比12%増、営業利益は30%増となりました。電子デバイス部門は、AI関連の光通信トランシーバー向けに熱電モジュールが伸長し、売上高14%増、営業利益26%増を達成しました。車載部門は、EV向けパワー基板などが需給調整局面となり、売上高4%減、営業利益25%減となりました。
連結貸借対照表では、マレーシア工場等への設備投資により有形固定資産が360億円増加し、負債サイドでは有利子負債が400億円増加しています。
決算期変更および2026年12月期業績予想
次に、2026年度の業績予想について説明します。まず、6月の株主総会での承認を前提に、決算期を12月31日に変更します。今回の2026年12月期は、4月から12月までの9カ月間の変則決算となります。連結子会社は従来から12月決算を採用しているため、子会社の1月〜12月の業績が反映されます。9カ月決算ではありますが、連結業績への影響は売上高で約50億円程度にとどまります。
2026年12月期の業績予想は、売上高が前期比21%増の3,500億円、営業利益が同38%増の380億円、純利益が同54%増の230億円を見込んでいます。
セグメント別の見通しです。半導体製造装置は、米中双方の顧客からの引き合いが月を追うごとに増加しています。特に装置向けの金属加工やセラミックスの販売が増加しており、中国での半導体製造に連動した部品洗浄も伸びています。売上高は前期比20%増を見込みます。電子デバイスは、AI関連の光通信トランシーバー向けを中心に熱電モジュールが引き続き拡大し、28%の増収を予想します。車載向けも熱電モジュールおよびパワー基板の販売増を見込み、24%の増収を予測しています。
中期経営計画KPIの更新
中期経営計画のKPIについて説明します。2026年12月期の売上・利益計画を上方修正し、2027年12月期の利益計画も引き上げます。また、2028年12月期の計画を初めて発表します。2028年12月期は、売上高4,500億円、営業利益570億円、純利益380億円を目指します。
ROEおよびROCの目標については、利益水準との整合性を保つため目標数値を調整しますが、目指すべき水準であるROE 15%、ROC 8%に変更はありません。資本配分については、半導体顧客からの増産要請が急増しているため、セラミックス生産能力およびマレーシア工場への追加投資を計画しています。2027年12月期までの3カ年設備投資計画を約350億円増額し、グループ資産500億円売却の方針は維持します。
株主還元方針および配当予想
株主還元については、DOE 3.5%以上を維持し、財務状況を勘案しつつ柔軟に自社株買いを検討し、総還元性向50%を目指します。2028年12月期までに250億円の自社株買いを実施する計画です。2026年10月期の配当は1株当たり20円を予定しており、事業成長とともに株主還元を一層強化してまいります。