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Certara、ソフトウェアの好調とサービス部門の低迷が交錯 経営体制刷新とコスト構造見直しへ

2026年第2四半期決算説明会(2026年8月4日)

Certaraは第2四半期決算説明会において、新たな営業体制の構築と通期業績予想の据え置きを発表した。同社の業績は、大規模な事業売却の余波や、複数年にわたる市場開拓戦略(Go-to-Market)の抜本的見直しといった課題を抱えている。総売上高は前年同期比1%増の9,330万ドルにとどまり、ソフトウェア部門が引き続き全体を牽引する一方、サービス部門は縮小が続いている。

新最高商務責任者(CCO)が市場開拓戦略の転換を主導

今回の目玉は、8月1日付でのJulien Perrier氏の最高商務責任者(CCO)就任と、Eric Jahn氏の最高情報責任者(CIO)昇格である。AIを活用した診断企業でCEOを務めた経験を持つPerrier氏は、Certaraが再編した「Model Informed Discovery and Drug Development」および「Accelerated Clinical Evidence」の両事業部門において、営業とマーケティングの統合を指揮する。今年1月に就任したCEOのJon Resnick氏は、今回の人事を6カ月にわたる組織変革の集大成と位置付け、「この半年間、各事業の基盤を適切な場所に配置するための厳しい措置を講じてきた。現在の進捗にはかなり満足している」と述べた。同氏は、変革は「7月に完全に展開されたばかり」であり、回復のペースを左右するのは市場環境ではなく、今後の実行力であると強調した。

ソフトウェアが売上の過半数を占め、受注の勢いも加速

進捗の最も明確な兆候はソフトウェア部門に見られる。同部門の売上高は4%増の4,888万ドルとなり、総売上高に占める割合は2年前の40%から53%に上昇した。より重要な指標は受注の伸びである。Chemaxonの買収影響を除くと、過去12カ月間のソフトウェア受注額は上半期末時点で7%増となり、2025年末時点の0.8%増から急加速している。経営陣は「Simcyp」「Phoenix」「Pinnacle 21」の好調を指摘し、今年だけで「Phoenix」薬物動態プラットフォームのクラウド導入が30件に達したことを強調した。Resnick氏は、中国での新規契約獲得、中東での拠点拡大、そして「CertaraIQ」プラットフォームを用いた日本での包括的なモデリング共同研究に言及。国際市場は現時点では小規模ながら、「極めて大きな成長ポテンシャル」を秘めており、Perrier氏の下でグローバル展開を再優先事項とする方針を示した。

サービス部門は依然として弱点、パイプラインは回復基調

サービス部門の売上高は3%減の4,450万ドル、受注額は6%減となり、ブック・トゥ・ビル(受注残高比率)は1.07となった。Resnick氏は、2024年に導入されたゼネラリスト主導の市場開拓モデルを批判し、不振の原因を率直に認めた。「この事業の推進方法について、私の意見は以前から明確だった。科学者たちがより直接的に市場と対峙しなければならない。彼らこそがこのビジネスの生命線だ」。対策として、博士号保持者を中心とする科学専門の営業チームを再編成し、スペシャリストが直接クライアントと関わる体制へ回帰させており、その結果、第2四半期末時点のパイプラインは前年同期比27%増となった。このパイプラインが下半期に売上へ転換されるかどうかが、株価の重要な変動要因となる。通期業績予想では、サービス部門の成長率は0%〜4%の範囲の下限にとどまる一方、ソフトウェア部門は上限以上で推移すると見込んでいる。

事業売却がもたらすマージンへの一時的影響

Certaraは5月8日、規制・医療ライティング事業の売却を完了した。同事業は移行期間中に売上高1,920万ドル、調整後EBITDA 750万ドルを非継続事業として計上したが、2025年には配分前の間接費を除いて約1,700万ドルのEBITDAを創出していた。この売上とコストの不一致(売却後も残存するコスト)が、通期の調整後EBITDAマージン予想を5月時点の30%〜32%から29%〜31%へ引き下げた理由である。暫定CFOのFaiz Mohammed氏は、これが業績悪化ではなく、事業構成の変化に伴う会計上の調整であることを強調した。「中間値の引き下げではなく、新しい事業構成を反映した変更だ」。この影響を相殺するため、Certaraは5月に全世界の従業員の約5%を対象とした人員削減を実施し、これまでに特定されたコスト削減策に加え、約1,300万ドルのランレート(年間換算)コスト削減を見込んでいる。

AIを製品と社内業務の双方に統合

経営陣はAI活用について、競合他社に比べて具体的な詳細を明らかにした。現在、新規コードの最大85%がAI支援によって作成されており、ソフトウェアエンジニア1人あたりの開発生産性は前年比で65%向上した。社内業務では、法務およびITワークフローにおいてAIエージェントが作業時間を最大90%削減している。製品面では、400件以上の申請で使用されている規制ライティングツール「CoAuthor」が約600個のAIエージェントを稼働させており、品質管理ドキュメント作成の生産性を40%向上させ、複雑なデータベースの要約においても90%以上の精度を達成している。科学サービスの提供においても、独自のAIエージェントワークフローにより、特定のタスク時間を最大80%短縮した。Resnick氏は、汎用AIツールに対するCertaraの優位性は「説明責任」にあると語る。「汎用AIツールは専門性が低く、Certaraが提供するような説明責任を果たすことはできない」。数週間前に発表したNVIDIAとのパートナーシップでは、BioNeMoエージェントツールをCertaraの次世代プラットフォームに統合する予定だが、収益への影響時期については言及を避け、エコシステム全体での連携強化を示すものだと説明した。

規制環境の追い風と承認実績

Certaraは、世界的な医薬品承認の背後にある科学的インフラとしての地位を固めている。HHSの「Operation TrialBlazer」、初回ヒト投与における定量的システム薬理学を支持するFDAの新たなガイダンス、そして7月に欧州で施行されたICH M15などを挙げ、モデルに基づいた創薬(MIDD)がニッチな手法から標準的な政策へと移行していると主張した。今回の決算で最も注目すべきデータは、第2四半期にFDAが承認した13の新規治療薬すべてがCertaraのクライアントによるものという点だ。その中には、1日1回投与の非ペプチド経口GLP-1受容体作動薬であるEli Lillyの「orforglipron」が含まれており、2002年以降で最速となる50日間での承認を達成した。Certaraの「Simcyp Simulator」は、この承認における薬物相互作用のラベル表示を支えた。経営陣は、規制枠組みの進化はクライアントに躊躇をもたらすのではなく、むしろ需要を喚起していると指摘。規制当局が新しいモデリング基準を策定してから、それが一般的な実務として定着するまでにはタイムラグがあり、同社はそのギャップを埋める役割を担うとしている。

利益率への圧力下でも株主還元を継続

Certaraは第2四半期中に1億ドルの自社株買いプログラムを完了し、1,740万ドル分の株式を買い戻した。取締役会は第3四半期に新たに5,000万ドルの自社株買い枠を承認した。Resnick氏は具体的な実行時期については明言を避けたが、追加の承認は会社が現在の株価に価値を見出している証左であると述べた。バランスシートは健全で、現金1億8,410万ドルに対し、タームローン借入金は2億9,400万ドル、1億ドルのリボルビング・クレジット枠は全額利用可能となっている。継続事業からの通期調整後希薄化後EPS予想は0.31ドル〜0.36ドル、実効税率は約30%と見込んでいる。

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