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Prof G Markets:スティーブ・アイズマン氏が指摘するAnthropicのS-1の盲点――第3四半期の減速と8,000億ドルのコミットメント

「ビッグ・ショート」の投資家、第3四半期のデータが「トークン・マックス」の終焉を示唆と指摘(Prof G Markets、2026年10月28日放送)

重要な四半期を欠落させたS-1

映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のモデルとして知られ、『The Real Eisman Playbook』のホストを務めるスティーブ・アイズマン氏は、「Prof G Markets」の番組内で、米Anthropic(アンソロピック)のIPO(新規株式公開)に向けたS-1(有価証券届出書)における最大の特徴は「何が記載されていないか」にあると語った。同届出書の財務データは第2四半期までの実績しか含まれていない。アイズマン氏は、Anthropicが上場前に第3四半期の業績公表を義務付けられると聞いているが、「それが100%正しい確証はない」と述べた。すでに市場に出回っている報道では、第3四半期の売上高や計算インフラコストが伝えられており、同氏はそれらの数値が「雄弁に物語っている」と主張した。

アイズマン氏の分析フレームワークは、四半期ごとの売上高成長率と、売上高を計算インフラ費用で割った比率という2つの統計に基づいている。同氏が「トークン・マックス(token maxing)」と呼ぶ現象が本格化する直前の昨第4四半期では、四半期ごとの売上高成長率は43%、売上高対インフラ費用の比率は0.69倍にとどまった。第1四半期には成長率が135%に跳ね上がり、比率は1.4倍に上昇。ピークとなった第2四半期には成長率が147%、比率が2.08倍に達した。しかし、第3四半期に入ると成長率は45%に低下し、比率も1.7倍に縮小した。「このデータは、トークン・マックスの終焉が影響を及ぼしたことを物語っている」と同氏は指摘する。

アイズマン氏はトークン・マックスを、ソフトウェアエンジニアが雇用主からコストを度外視して24時間体制でAIを使用するよう命じられた時期と定義した。第1四半期・第2四半期を経た後、顧客は大幅にコスト意識を高め、中国のオープンウェイト・モデルがシェアを奪っていったという。同氏の解釈では、今回のS-1は「トークン・マックスの絶頂期であり、中国のオープンウェイト勢との競争が本格化する前」のスナップショットに過ぎず、過去を振り返る内容にとどまっている。

番組ホストのエド・エルソン(Ed Elson)氏は、届出書の冒頭にあるチャートから第3四半期が完全に抜け落ちており、この省略が意図的だったのではないかとの憶測が出ていると指摘した。その点について問われたアイズマン氏は、「非常に意図的なものだ」と答えた。エルソン氏は後に、この省略は事実というより憶測に基づく理論であると言い添え、アイズマン氏も意図的なものを示す直接的な証拠は示さなかった。

伝えられる50%の値下げと「堀(モート)」の疑問

アイズマン氏は、確認は取れていないものの、Anthropicが市場シェアを奪還するため100万トークンあたりの価格を10月に約50%引き下げたと耳にしたと述べた。同氏はこれを、IPO前に未解決のまま残された最も重要な疑問の1つになり得るとみなした。「価格を半額にすることは危険を伴いかねない」とし、それに伴う疑問として、どれだけのシェアを奪い返せたのか、その結果として売上高が増加したのか減少したのかが挙げられるが、自身はその答えを持ち合わせていないと認めた。

より重大な論点は戦略面にある。もしこの値下げが事実であれば、「このビジネスには経済的な堀(モート)が存在せず」、シェアを拡大する唯一の手段が価格引き下げであることを裏付けるものだとアイズマン氏は主張した。「8,000億ドルの支出をコミットさせられている一方で、フランチャイズ全体が単に価格競争力のみに基づいているようなビジネスに身を置くのは危険だ」。投資するかどうかを直接問われると、同氏は「No」と答えた。

巨額の設備投資を控える中、8,000億ドルのコミットメント

アイズマン氏とエルソン氏はともに、届出書の末尾に開示された将来の計算インフラに関するコミットメントがバランスシート上の最大の要点であると指摘した。アイズマン氏は、含まれる内容に応じて総額は8,000億〜9,000億ドルに上ると試算し、この規模の前では「1,000億ドルなど誤差のようなものだ」と冗談めかして語った。エルソン氏は、Amazonとの1,100億ドルの契約、Googleとの1,150億ドルの契約、Broadcomとの1,610億ドルの契約を挙げた。これらの契約は現在の損益計算書には反映されていないが、いずれはすべて反映されることになるとエルソン氏は主張した。

また、届出書にはAnthropicが設備投資(カペックス)を大幅に増額する方針であることが記載されており、エルソン氏はこれを自社データセンター建設の動きと読み解いた。一方、アイズマン氏はより慎重な見方を示した。「データセンターを自社建設するかどうかは分からないが、間違いなくこれまで以上に巨額の資金を投じることになるだろう。リースですませるかもしれない」とし、来年の設備投資額が800億〜1,000億ドルに達する可能性があるとの予測を引用した上で、それが費用処理されるのか資本化されるのかは不透明だと述べた。エルソン氏は、この開示内容がドキュメントの末尾に「基本的には脚注のように」ひっそりと記載されている点を指摘し、8,000億ドルという数字はおそらく過小評価されており、損失は急増する見通しだと主張した。アイズマン氏自身の結論はよりシンプルだった。「8,000億ドルのコミットメントを行えば、費用は膨らむ一方だ」

ガバナンス:「あなたに権利はない」

アイズマン氏はガバナンス構造については多くを語らなかった。「この会社の株主になったところで、あなたに権利はない」と同氏は一蹴した。「すでに開示されていることだ。参加したいなら、リスクを承知でやればいい」。エルソン氏はその構造について解説した。通常の議決権付き株式および無議決権株式に加え、取締役を選任する「長期恩恵信託(Long-Term Benefit Trust)」が管理するクラスT株式、そして全投票権の50.1%を握る7人の共同創業者が管理する単一のクラスF株式が存在するという。

アイズマン氏はこれを不適格事由とは捉えず、株価が好調に推移してきたMeta(メタ)にも同様の批判が当てはまると指摘した。「これがテック界のやり方だ。彼らは自分たちの株主を好まないのだ」。エルソン氏はこれを「制度化された創業者崇拝」と表現した。

バリュエーションと市場センチメント

今回のIPOの時価総額は約2兆ドルで値付けされる見通しだが、1兆5,000億ドルへの引き下げを巡る議論もある。アイズマン氏は予測を避け、プレス報道以外の情報は持ち合わせていないと述べた。もっとも、第2四半期までの数値で区切られている点にほとんどの人が注目していなかったため、今回の届出書によって投資家の信任はむしろ高まったのではないかと示唆した。上場前に第3四半期の数値が追加されれば、市場センチメントは「好転するはずだ」と述べつつも、投資家がどう反応するかを予測することは不可能だと認めた。

AIファイナンスのバロメーターとしてのCoreWeaveの債務

Anthropic以外で最も注視している指標として、アイズマン氏はクラウドインフラ企業CoreWeave(コアウイーブ)の債務価格を挙げた。実証はできないものの約15%に達しているとみられる同社の借入コストは、「借金を重ねてAIデータセンターを建設する。それがビジネスモデルのすべてだ」という企業にとって法外な水準であるという。金利がさらに上昇すれば、「彼らのビジネスは事実上有望ではない」と同氏は指摘した。NVIDIAが救済に乗り出して裏支えする可能性はあるものの、「それを除けば」、自身は債務市場の動向を注視し続けると語った。

Prof GによるS-1の総括

番組の最後のセグメントで、エルソン氏は神話と事実を切り分けた。上半期の8,000万ドルの純損失については、株式に転換された転換社債の公正価値の増加に起因するものであり、非現金の会計上の費用にすぎない「ミスリーディングな情報(レッド・ヘルリング)」だと一蹴した。また、前年同期比1,300%増となった上半期の売上高成長率は本物であるものの、第2四半期の前期比約150%成長から第3四半期の50%未満への減速を踏まえると、現在のランレートを示すものではないとした。昨年の上半期の20億ドル超から今年は7億ドル未満へと損失が縮小している点はポジティブであると認めつつも、この傾向が持続することはないと主張した。

結論として、同氏は損益計算書がビジネスの全貌を語っているわけではないと指摘した。「ビジネスモデルはまだ確立されていない」と述べ、Anthropicを「潜在的な2兆ドルというバリュエーションが示唆するような、実証済みの安全な企業投資」ではなく、「極めてリスクの高いベンチャー投資」であると表現した。「来年には、その全体像が劇的に異なって見えるようになるだろう」と付け加えた。

自動運転車:Waymoがリード、Teslaはコストで勝負

今回のエピソードでは、Prof Gのリサーチアソシエイトであるダン・シュラン(Dan Schulan)氏による自動運転車に関するセグメントも放送された。同氏はWaymo(ウェイモ)を明確なリーダーと位置づけ、米国の15都市でサービスを展開し、週あたり約50万回の有料乗車をこなし、走行距離はTesla(テスラ)の週次走行距離の約7倍に達していると説明した。一方のTeslaのロボタクシー事業も急速に規模を拡大しており、安全監視員を排除した上で6都市で完全商用サービスを展開し、最近ではステアリングホイールのない「Cybercab(サイバーキャブ)」を投入した。Teslaの強みはコストにある。シュラン氏は、Waymo車両の10万ドル超に対し、Cybercabの生産コストは約2万5,000ドルであると試算した。世界で約170万人がTeslaの一般向けFSD(完全自動運転)ソフトウェアの対価を支払っている。Amazon傘下のZoox(ズークス)は2都市で約100台を保有し、Uberはパートナーを通じて5都市で展開している。

国際市場についてシュラン氏は、低コスト製造では中国がリードし、商用化では米国がリードしており、両国が互いの市場に参入する可能性は低いとの見方を示した。今後の争奪戦は中東やヨーロッパで繰り広げられることになり、これらの地域は今のところ主に中国のプロバイダーを選択している。国内市場では、州レベルで規制が断片化しており、世論も悪化している。ギャラップ社の世論調査によると、自動運転車が道路の安全性を高めると考えるアメリカ人の割合は、2018年の52%から12%減少した。

投資家の視点として、シュラン氏は、乗用車用LiDAR(ライダー)センサーの95%が中国製であり規制対象となる可能性があることからLiDARサプライヤーに注目すべきだと指摘した。また、Hertz(ハーツ)が自動運転車を整備する専門部門の設立を発表したフリートメンテナンス分野や、限界費用の約44%をドライバーの報酬と福利厚生が占めるトラック輸送分野を挙げた。同氏はAurora(オーロラ)やTeslaの「Semi(セミ)」をその露出先として挙げたが、Semiにはまだ完全自動運転機能が備わっていないことにも言及した。

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